こんにちは、Reoです。
今回は【神竜 -Divine Dragon-】ということで、「神竜」について考えたことをアウトプットしたデッキのご紹介です。
構築経緯
本題に入る前の自分語りフェイズです。
この章は飛ばしていただいても、デッキの内容は理解できます。
神竜との出会い
筆者が小学生の頃、友人のカードを見せてもらう中で、神竜 ラグナロク
に出会いました。
単刀直入に言えば、一目惚れしてしまいました。
遊戯王カードのドラゴン族といえば、青眼の白龍
や真紅眼の黒竜
のようなカッコ良いイメージだと思っていました。しかし、それらとは異なる神秘的な姿・「神」の名を冠するところ・それらを補強するフレーバーテキストのどれもが、とても魅力的に映りました。
その後も何体か「神竜」モンスターが登場し、それぞれ固有の良さを持っていますが、筆者の中ではこのカードが一番好きな「神竜」モンスター*1です。
フェルグラントドラゴン
2007年6月23日、「STRUCTURE DECK - 巨竜の復活 -」が発売しました。
このデッキのメインを飾るフェルグラントドラゴン
がとてもカッコ良く見えていました。
しかし、この商品の発売時には友人たちの流行が落ち着いていたため対戦相手もおらず、実際に購入することはありませんでした。
時は流れ、2016年2月6日に「STRUCTURE DECK R - 巨神竜復活 -」が発売しました。
この商品でフェルグラントドラゴン
がリメイクされました。その名前は巨神竜フェルグラント
。
なんと、想い焦がれたフェルグラントドラゴン
が、「神竜」になって帰ってきた*2のです。
このエモさをなんとか形にしたくて、このデッキを作り始めました。
神竜について
デッキコンセプトを語る前に、「神竜」について触れておきます。
名称と定義
「神竜」は、カードテキストに記載されたことはありません。即ち、俗に言うカテゴリ化がされていません。 その点は「電子光虫 (遊戯王カードWiki)」等と同様です。
しかし、「電子光虫」等とは違い、このテーマのカテゴリ化は絶望的なのです。
カードデータベースや遊戯王ニューロンで「神竜」と検索すると、上記の通りになります。
一見すると何もおかしいところはありませんが、その謎は英語名にあります。
例えば、神竜 ラグナロク
の英語名は Divine Dragon Ragnarok
で、「神竜」に相当する部分は "Divine Dragon" であるのが分かります。
一方、一番認知されているであろうラーの翼神竜
の英語名 The Winged Dragon of Ra
には、どこにも "Divine Dragon" の表記がありません。
これをTCGで同カテゴリに入れようとすると、デーモンの召喚
(英語名 Summoned Skull
) に対して記載されている
This card is always treated as an "Archfiend" card.
(このカードはルール上「デーモン」カードとして扱う。)
Summoned Skull | Card Details | Yu-Gi-Oh! TRADING CARD GAME - CARD DATABASE
と同様の処理を施さなければなりません。しかし、特に神属性のモンスターに対してそれをするとは到底思えません*3。
したがって、「神竜」のカテゴリ化は余程の歴史改変が起きない限りは難しい、ということがご理解いただけたことと思います*4。
今回のデッキは、日本語名に「神竜」と名のついたカード、および英語名に "Divine Dragon" と名のついたカードを中心に構成しています*5。 以降、単に「神竜」と言った場合は左記の定義だとご理解ください。*6
特徴
前項の通り、カテゴリ化されたテーマではないため、統一された要素は殆どありませんが、メインデッキのカードの方向性は概ね以下の通りです。
- 墓地のカードに関する効果を持っている
- ドラゴン族モンスターに関する効果を持っている (アポカリプス、フェルグラント、ティタノマキア)
- 自身と同名カードに関する効果を持っている (エクセリオン、ティタノマキア)
テーマ内の繋がりとしては、神竜 ティタノマキア
で墓地に落とし、神竜 アポカリプス
の効果でサルベージしたり、巨神竜フェルグラント
を蘇生したり、神竜-エクセリオン
の条件を整えたり……といったことが見込めます。
しかし、これはフィールドに展開できている前提の話であり、残念ながらこのテーマだけでは主体的に動けません。
そのため、展開は他のカードで補いながら、巨神竜フェルグラント
で攻め、神竜ティタノマキア
で守り、最終的に神竜-エクセリオン
でのフィニッシュを狙うことが妥当だと考えました。
デッキコンセプト
墓地にカードがあるだけ強力になっていく特徴を活かすべく、引いたカードで戦いながら墓地肥やしを行うことを念頭にデッキを構成しました。
また、神竜 ティタノマキア
がそうですが、墓地肥やしを行う中でランダム性を伴うカードが必要と感じたため、魔法・罠カードについても、回収を可能とするか、依存度を低くすることを心掛けました。
デッキレシピ
2022年7月1日適用リミットレギュレーション準拠 www.db.yugioh-card.com
※右下の ボタンからデッキレシピを閲覧できます。必要に応じてお使いください。
デッキの動かし方
墓地にカードがあるだけ強力になる、ということは裏を返せば、墓地が肥えていない序盤は効果を発揮し得ない、ということでもあります。
そのため、活躍できるようになるまでは別のカードでサポートします。
1ターン目 (自分のターン)
まずは天球の聖刻印
の成立を目指しますが、上記画像は理想的な初動に入れた場合の展開です。
ドラグニティ-レムス
とドラグニティ-レガトゥス
でドラグニティナイト-ガジャルグ
をS召喚する動きは召喚権を使用しないため、ドラグニティナイト-ガジャルグ
で手札に加えたドラゴン族モンスターを通常召喚して更に展開できます*7。
ここでは、黒鋼竜
をサーチして召喚、そこからドラグニティナイト-ガジャルグ
を使用せずに天球の聖刻印
をリンク召喚し、レッドアイズ・スピリッツ
をサーチして次の自分のターンの展開を担保しています。
ここで重要なのは、竜の渓谷
へアクセスしていることです。中盤以降、このカードで神竜-エクセリオン
や神竜 ティタノマキア
の枚数を増やすことができるからです。
そのため、手札コストを複数枚要求されようが、なるべく竜の渓谷
を経由します。
2ターン目 (相手のターン)
前のターンで用意した天球の聖刻印
から妖醒龍ラルバウール
を特殊召喚し、深淵の獣マグナムート
を手札に加えます。その後、なるべく相手に除去されないタイミングを選んで特殊召喚します。
深淵の獣マグナムート
を特殊召喚すれば、エンドフェイズにデッキ・墓地からドラゴン族モンスターを何でも手札に加えられます。この効果で手札に加えるドラゴン族モンスターを何にするかによって、以降の展開を変えていきます。
画像には入れていませんが、ここでドラグニティ-レムス
をサーチすれば、1ターン目でなくても竜の渓谷
にアクセスできるため、必ずしも1ターン目に「ドラグニティ」モンスターによる展開を行わなくてもケアが効きます。
以降の展開に決まったものはありませんが、本デッキのコンボ毎に採用カードをご紹介します。
採用カード紹介
「星遺物の守護竜」と「神竜 アポカリプス」によるリソース管理
このデッキは、星遺物の守護竜
によって墓地からレベル4以下のドラゴン族モンスターを再利用することができます。それ以外のドラゴン族モンスターはこのカードで再利用できませんが、それを神竜 アポカリプス
が間接的に可能にしてくれます。
ちなみに、この神竜 アポカリプス
はハイバネーション・ドラゴン
と比較されるカードです。神竜 アポカリプス
は起動効果かつ手札コスト1枚を必要とするために優先度を落とされがちですが、レベル制限なく手札に加えられます。そのため、天球の聖刻印
もこのカードで戻すことができ、差別化できていると考えています。
「復烙印」によるリソース管理
復烙印
で何度も天球の聖刻印
(をはじめとする光・闇属性モンスター) をEXデッキに戻し、再利用します。そうすれば、天球の聖刻印
の効果で、墓地に「神竜」モンスターを貯めていくことができます。
特に神竜 ティタノマキア
は特殊召喚していれば戦闘破壊耐性が付与されるので、天球の聖刻印
の効果で攻守0となっても問題なく、場持ちの面でも優秀です。
復烙印
へのアクセスは、序盤に竜の渓谷
へアクセスしているはずなので、その効果で深淵の獣ルベリオン
へアクセスし、その起動効果でアクセスする想定です。
また、一番天球の聖刻印
を除外しやすいカードとして嵐征竜-テンペスト
、次点で混沌魔龍 カオス・ルーラー
を採用しました。前者へのアクセスは竜の渓谷
で、後者へのアクセスは後述します。
また、復烙印
は墓地の深淵の獣マグナムート
を蘇生できるので、次の展開のためのドラゴン族モンスターを(ほぼ)毎ターン供給してくれます。ここから他のコンボに繋いでいけるため、このカードへのアクセスは最優先とします。
レッドアイズ・ダークネス・メタル・ドラゴン
を回収すれば、墓地の天球の聖刻印
を直接墓地から除外することも可能です。
S召喚ギミック その1 ドラゴン族・風属性モンスター
「デッキの動かし方」のところで解説したドラグニティ-レムス
+ドラグニティ-レガトゥス
以外に、ドラグニティ-ギザーム
を採用しています。
本デッキにおいてはレベル6かレベル7のSモンスターの特殊召喚を狙います。使い方は下記の画像の通りです。
序盤に使用したドラグニティ-レガトゥス
をドラグニティ-ギザーム
で蘇生すると、深海姫プリマドーナ
をS召喚できます。
このカードからクリスタル・ガール
をリクルートすれば、神竜 アクアバザル
をサーチしながら対象耐性付きの混沌魔龍 カオス・ルーラー
にアクセスできるので、一気に墓地を肥やすことができます。
深海姫プリマドーナ
で相手の除外されているカードを戻さなければなりませんが、そのカードは深淵の獣マグナムート
で用意することができます。
ただし、相手の手札に戻してしまうということはあまり強いカードを除外するわけにはいかないということでもあるので、その前提で除外する相手のカードを選定する必要があります。
また、クリスタル・ガール
は自身を墓地から特殊召喚する効果を持っているので、初手にあっても遠慮なく竜の渓谷
のコストにできるのは良いところだと感じています。
S召喚ギミック その2 ドラゴン族通常モンスター
聖刻龍-ドラゴンヌート
を星遺物の守護竜
で蘇生、聖刻龍-ドラゴンヌート
を対象に星遺物の守護竜
の効果を発動することで、ドラゴン族通常モンスターである守護竜ユスティア
を特殊召喚できます。これで召喚権を使用せずにレベル6のSモンスターをS召喚できます。
守護竜の核醒
は聖刻龍-ドラゴンヌート
とは異なる条件で通常モンスターをフィールドに展開できます。
これらのギミックを用いて聖刻龍-ドラゴンヌート
とドラゴン族通常モンスター2体を揃えることができたら、ドロドロゴン
を経由して烙印竜アルビオン
を融合召喚できるため、竜魔人 キングドラグーン
かブルーアイズ・タイラント・ドラゴン
を追加で融合召喚できます。
他のギミックとして、聖刻龍-ドラゴンヌート
で特殊召喚した通常モンスターをヴァレルロード・R・ドラゴン
で破壊することで、霊廟の守護者
の効果で墓地の通常モンスターを手札に加えられるので、ヴァレルロード・R・ドラゴン
と合わせて手札が2枚増えます。これで竜の渓谷
の手札コストを賄うことができます。
連鎖蘇生
巨神竜フェルグラント
は、戦闘破壊に成功すると墓地のレベル7・8のドラゴン族モンスターを特殊召喚できます。
オッドアイズ・アドバンス・ドラゴン
を特殊召喚し、このカードで戦闘破壊に成功すると、さらにレベル5以上のモンスターを守備表示限定ですが特殊召喚できます。適当なモンスターを特殊召喚しても良いのですが、ここで神竜 アクアバザル
を特殊召喚すると、墓地のフィールド魔法・永続魔法をデッキの一番上に置くことができます。
神竜 アクアバザル
の効果でリリースするモンスターには、自身を墓地から特殊召喚できるクリスタル・ガール
、守護竜の核醒
で特殊召喚できる守護竜ユスティア
等がいますが、特に瑚之龍
をリリースすれば、そのまま手札に加えることも可能になります。
巨神竜フェルグラント
とオッドアイズ・アドバンス・ドラゴン
が残るので、2体で神竜騎士フェルグラント
をX召喚でき、相手の動きを牽制できます。
一方で、ブルーアイズ・タイラント・ドラゴン
を特殊召喚すれば、墓地から罠カードをセットできます。特に、分かつ烙印
をセットすれば、ブルーアイズ・タイラント・ドラゴン
をリリースして再び巨神竜フェルグラント
を特殊召喚 (除外効果を発動)、というサイクルができます。
理想のフィニッシュのためのカード
神竜-エクセリオン
や神竜 ティタノマキア
は同名カードを参照するため、道中で墓地に溜め込みます。
墓地に溜める手段として序盤からある竜の渓谷
を使用しますが、名称指定の効果使用制限がありません。そのため、Vivid Tail
の①の効果で戻して同一ターン中に再使用し、相手の想定している流れより早めることで思惑をズラすことが可能になります。
アドバンス召喚の補助として輪廻竜サンサーラ
を採用しました。墓地から拾いつつ一連の流れでアドバンス召喚まで繋いでくれるため、非常に優秀なカードです。
通常モンスターのサポートとして挙げた霊廟の守護者
は、ドラゴン族モンスターの2体分のアドバンス召喚用リリースコストにもなってくれます。
神竜-エクセリオン
は仮にフルコースでアドバンス召喚できたとしても打点不足であるため、リンクメイル・デーモン
でサポートします。そうすれば直火焼き+連続攻撃の効果を選択すれば良くなるので、
神竜 ティタノマキア
は特殊召喚すれば自身の効果で戦闘破壊耐性が付与されているため、天球の聖刻印
から特殊召喚してもほぼ問題ありません。
その他
未来融合-フューチャー・フュージョン
&F・G・D
: ドラゴン族モンスターを落とす上振れ要員としての採用。天球の聖刻印
の存在から対処が難しいカードとして採用しているが、一方で一番浮いているカードではあります。巨神竜の遺跡
: 序盤にあれば天球の聖刻印
のリンク素材を用意したり、天球の聖刻印
でレベル7・8のモンスターを特殊召喚し相手の展開を阻害したりします。烙印の獣
:復烙印
の回収手段としての運用を中心として考えています。竜魂の城
: 除外ケアとして、聖刻龍-ドラゴンヌート
のトリガーとして使用します。ヴァレルロード・R・ドラゴン
で能動的に墓地へ送れる点もポイントが高いです。王者の調和
: レベル6の非チューナーのSモンスターを相手が攻撃した時に発動し、墓地の瑚之龍
と除外して聖珖神竜 スターダスト・シフル
を出します。条件が難しい代わりに得られるリターンが大きいので、狙えたら狙うレベルのカードです。
おわりに
以上、【神竜 -Divine Dragon-】のデッキ紹介でした。
ここまでお読みいただきありがとうございました。
「深淵の獣」が登場して現在の構築に至りましたが、それまでは「ドラゴンメイド」を採用していました。
ドラゴンメイド・シュトラール
の制圧力やドラゴンメイドのお片付け
のサポート力は非常に頼りになりましたが、その一方でバトルフェイズを経由しないと手札が増えないところや盤面の逼迫具合にどうしても不自由さを感じていました。
また、「ドラゴンメイド」の採用を見送ることで、結果的にカッコ良いドラゴン族モンスターだけが盤面に並ぶようになったところも、「神竜」の名前に恥じないデッキになったので良かったと個人的には思っています。
さて、ここまで4回に亘ってデッキ紹介を行ってきました。
ライフイベントとして子育てが始まり、自分のデッキを触る機会がめっきり減ると思ったので、それを機に記事としてアウトプットした次第です。そのため、自分が見返して分かりやすいことが第一になってしまったと思っていますが、内容は伝わりましたでしょうか。
見ていただいた方にはどう映っているか分かりませんが、個人的には、すべての「神竜」を使って、なおかつ戦えるデッキになったと思うので、非常に気に入っています。
気になった点や感想などあれば、コメントやTwitterへのリプライでご気軽に教えてください。
また、もし対戦できる機会があれば、ぜひともよろしくお願いいたします。
それでは、またね。
*1:CIRCUIT BREAKにて「メタファイズ・ラグナロク」が登場した時は、「メタファイズ・タイラント・ドラゴン」と共にとても興奮したことを覚えています。
*2:英語名も「Divine Dragon Lord Felgrand」と超カッコ良い!
*3:その神のサポートカードである「ゴッド・ブレイズ・キャノン」はOCG/TCG共に「ブレイズ・キャノン」カードとして扱っていますが、発売順の都合で仕方なくそうなっただけでしょう。
*4:このような事情から、遊戯王カードWikiには「神竜」の個別のページが存在しません(笑)
*5:結果的に扱いの難しいカードが取り除かれましたが、そちらを省きたい気持ちよりも、TCG環境の決闘者にも誇れるデッキにしたかったのが大きいです。
*6:ちなみに、一部界隈ではカテゴリ化されていないテーマの使用者を「スライダー」と呼ぶようです。詳細は新都社「邪道決闘」の第10話あたりをご覧ください。お話も面白いので、ご興味のある方は最初から読まれることをオススメします。
*7:【ドラゴンリンク】では、ここから「ドラグニティナイト-ロムルス」に繋いで「ドラグニティ・グロー」をサーチして……と展開しますが、デッキの枠の都合ここまでで留めています。